バイキング、1000年前の時点で北米に定住 木片の年代分析で判明
前出の木片には同じ特徴が表れており、その部分から樹皮まではさらに29本の年輪が形成されていた。
従って、当該の木が伐採されたのは992年から29年後の1021年だったと、研究者らは結論している。
この発見を含む研究論文は20日刊行の科学誌ネイチャーに掲載された。
ディー准教授によれば、これらの木片の記録は人類が大西洋を横断しての探索・移住を行った最古の証拠となる。バイキングはランス・オ・メドーに到達する前、アイスランドやグリーンランドにも定住していた。
「バイキングが危険を冒して西へ向かったのは、新たな原材料を見つけるためだったと考えられている。木材はその最たるものだ」「そうした物資を求めて大陸間を行き来する活動は、グローバリゼーションの最初の一歩と形容されている」(ディー氏)
バイキングが米州への航海を具体的に何度行い、どのくらいの期間現地で暮らしていたのかは分かっていない。現時点での証拠によると短期間の定住にとどまった公算が大きいとみられるが、ランス・オ・メドーからはバイキングが定住期間中にニューファンドランド島の南の地域まで探索していた証拠も見つかっている。