輸送コンテナに猛毒ヘビが「密航」、興奮状態で捕獲 英国
(CNN) 英イングランドで輸送コンテナの中に猛毒をもつヘビが「密航」しているのが見つかり、野生生物病院の専門家チームが出動して捕獲した。
英サウスエセックス野生生物病院のツイッターによると、地元の石工業者から、インドから届いた輸送コンテナの中に1匹のヘビが紛れ込んでいるという連絡があった。
密航者は猛毒をもつノコギリヘビだったことが判明。「我々は以前もこの爬虫(はちゅう)類を扱ったことがあったので、どれほど危険かは十分認識していた」と同病院は解説する。
ノコギリヘビは北半球のアフリカやアラビア半島、南西アジアからインド、スリランカにかけての乾燥地帯やサバンナに生息する。
そうした地域でノコギリヘビのために死亡する人の数は、ほかの全てのヘビによる犠牲者を合わせた数よりも多い。
ノコギリヘビは興奮すると、体をS字型にくねらせながらゆっくりと動き、うろこをこすり合わせて音を出す。
今回見つかったヘビについて同病院は、発見者が死亡しなかったのは「非常に幸運だった」と指摘する。ヘビはコンテナの中で何週間も過ごして体が冷え切っていたと推測し、発見された時点ではおとなしかったが、同病院のチームが捕獲した時は「かなり攻撃的だった」という。
当局にも通報したが対応してもらえなかったことから、同病院が爬虫類の専門家チームを派遣し、「ひどく興奮して攻撃的だった動物を、死者が出る前に」捕獲した。
同チームはヘビを容器に閉じ込めることに成功。その部屋はテープで封鎖し、警告表示を張り出した状態で当該施設の到着を待ち、回収してもらった。
「ありがたいことに、私たちはそれほど頻繁に毒をもつ生物を扱わずに済んでいる。しかし自由を与えて帰国させてやれなかったヘビのことは悲しく思う」。同病院はそうコメントしている。