絶滅と思われたゾウガメの発見、DNAが語るストーリー ガラパゴス諸島
(CNN) 火山噴火が繰り返されて簡単には近づけないガラパゴス諸島のフェルナンディナ島。2019年に小さなメスのゾウガメが発見された。研究者にとっては衝撃だった。
同島でゾウガメが見つかったのは、探検家のロロ・ベックが1906年に大きなオスを発見して以来だった。専門家はこのオスを最後に、同島のフェルナンディナゾウガメは絶滅したと考えていた。
そこへメスの「フェルナンダ」が見つかった。
「フェルナンディナ島でゾウガメが生きているなんて素晴らしすぎる。みんな大興奮だった」。英ニューキャッスル大学のイブリン・ジェンセン氏はそう語る。同氏のチームは9日、生物学会誌に研究結果を発表した。
しかし2019年に見つかったメスのフェルナンダを、カリフォルニア科学アカデミーに保存されていた1906年のオスの標本と比較したところ、あまりに違って見えたため、研究チームはこの2匹が同じ種なのかどうかに疑問を持った。
ガラパゴス諸島のゾウガメは、ボウルをひっくり返したようなドーム型の甲羅をもつ種と、甲羅の前部が弧を描いて頭と首を覆うサドルバック型の甲羅をもつ種がいる。
1906年にフェルナンディナ島で見つかったオスは、典型的なサドルバック型の甲羅をもち、甲羅の端には特徴的なフレアがあった。
しかしメスのフェルナンダの甲羅は小さくて平らでフレアもなかったことから、本当にフェルナンディナゾウガメなのかという疑問が浮上した。成長が妨げられて特徴が変わったのかもしれないとの説もあった。
フェルナンダは別の島から流れ着いた全く別の種かもしれなかった。ガラパゴス島には14種類のゾウガメが生息しており、まだ発見されていない別の種がいる可能性もある。
フェルナンディナ島では過去200年の間に約25回の火山噴火が繰り返され、このためにフェルナンディナゾウガメは絶滅したと思われていた。
研究チームは疑問に答えを出すために、まずフェルナンダのゲノム配列を解析し、1906年のオスと、ガラパゴス諸島のゾウガメ13種のゲノムと比較した。