「観測史上最も短い1日」の記録更新、地球の自転が速くなる傾向
(CNN) 地球で原子時計が発明されて以来、最も短い1日が観測された。世界の時間管理を担う国際機関の国際地球回転・基準系事業によると、6月29日の地球の自転時間は、通常の1日24時間より1.59ミリ秒短かかった。
自転時間は地球が軸を中心に1回転するのにかかる時間のことで、秒に換算するとおよそ8万6400秒。
これまでの最短記録は2020年7月19日に観測され、通常より1.47ミリ秒短かかった。
米国海軍天文台のデニス・マッカーシー元所長によると、地球の自転の観測には1950年代以来、原子時計が使われている。
現代史上で最も短い1日の記録は6月29日に更新されたものの、太古の地球には1日の長さがもっと短い時代があったという。
恐竜がまだ生息していた7000万年前、1日の長さは約23時間半だったという研究結果が2020年の学術誌に発表されている。
米航空宇宙局(NASA)によると、地球の自転速度は1820年代以来、減速が記録されていたが、マッカーシー氏によればここ数年は加速し始めているという。
自転速度がわずかに速くなった理由について確固たる答えは出ていない。ただ、氷床の融解によって陸地が移動する「氷河性地殻均衡」が原因かもしれないとマッカーシー氏は解説する。
これまでは地球の自転速度が減速していたことから、時刻を地球の自転に合わせるためにうるう秒が挿入され、1972年以来、27秒が挿入されてきた。
しかし自転速度が速くなる傾向がこのまま続けば、3~4年後にはうるう秒を差し引く必要が生じるかもしれないとマッカーシー氏は話している。