絶滅した「メガロドン」、シャチを5口で平らげる巨大さか 新研究
(CNN) 現生のどんなサメよりも早く泳ぎ、わずか5口でシャチを平らげる――。「メガロドン」の名で知られる絶滅したサメについて、研究者の従来の認識を超えるスーパー捕食者だったことを示唆する新研究が発表された。
メガロドンが生息していたのは今から2300万年以上前。歯の化石は豊富に残っているものの、体は骨ではなく軟骨でできていたため、保存されていることはめったにない。
英スウォンジー大学の研究チームは今回、例外的に保存状態が良いメガロドンの脊柱(せきちゅう)から作成した3Dモデルを使い、その動きや行動に関する情報を推測しようと試みた。研究結果は17日付の科学誌サイエンス・アドバンシーズに掲載された。
研究チームは「成長したメガロドンは今日のどんなサメより早い絶対速度で泳ぎ、現代の頂点捕食者のサイズの獲物を食べ尽くすことができたと推測される」と記している。
研究チームはベルギーで見つかったメガロドンの脊柱、米国で見つかった歯、ホホジロザメの頭部の軟骨を使って3D骨格を作成。その後、ホホジロザメの全身スキャンを用い、メガロドンの骨格にどのように肉が付いていたのかを推測した。
完全な3D画像ができたところで、メガロドンの全身の体積と質量を割り出し、現代のサメの大きさとの比較から、メガロドンの泳ぐスピードや必須カロリーなどを推定した。
研究チームの推定によると、モデルに使ったメガロドンの全長は16メートル近く、体重は約6万1560キロ。全長約7.9メートル、体重約3620キロあまりに上るシャチの大きさの獲物を、わずか5口で平らげることができたと推測される。
泳ぐスピードは現生のどのサメよりも早く、理論上の平均巡航速度は時速約5キロに上る。このスピードでより多くの獲物に遭遇することができ、膨大な必須カロリーを満たす助けになっていたとみられる。