スウェーデンで17世紀軍艦の残骸発見、「バーサ」の姉妹艦
(CNN) スウェーデンの沈没船博物館は24日、同国の考古学チームが17世紀の軍艦「アプレット」の残骸を発見したと明らかにした。
アプレットは国王グスタフ・アドルフの1625年の指示で建造された軍艦4隻のひとつ。同時期に建造された「バーサ」は初航海の際に沈没したことで知られる。
バーサの残骸は引き上げられ、現在はストックホルムで博物館になっているが、アプレットの方は長年、海洋考古学者の目に触れることはなかった。
「アプレット」は初公開の際に沈没したことで知られる「バーサ」の姉妹艦/Jim Hansson
両艦の建造は同じ造船技師が手掛けた。博物館の声明によると、アプレットは不安定だったバーサの設計上の不備に改善を加えたものだという。
アプレットは欧州の三十年戦争に投入された後、1659年にもはや航海に耐えられないとみなされ、ストックホルム群島のバックスホルム島で意図的に沈められた。
アプレットの木材のオークには、バーサと同じ土地の木が使用されている/Jim Hansson
沈没船博物館の海洋考古学者は2021年12月にスウェーデン海軍と協力して残骸を発見したものの、アプレットと特定できたのは今年春のこと。同艦の寸法や木材のサンプル、史料などを徹底調査し、特定にこぎ着けた。
海洋考古学者のひとりはCNNの取材に、当該海域には沈没船は残っていないと思っていたので、今回の発見は驚きだと語った。
アプレットを調べることで、スウェーデンの大型軍艦が不安定だったバーサから、バルト海を支配できる航海に適した巨大艦へと進化を遂げた過程を理解する助けになるという。大型軍艦の進化は1600年代にスウェーデンが強国として台頭する決定的な要因となった。