新たに発見された小惑星、地球上空を通過 観測史上最大級の接近
(CNN) 数日前に発見されたトラックほどの大きさの小惑星が米国時間の26日、地球に最接近した。観測史上、最大級の接近だったと専門家は指摘している。
地球近傍小惑星「2023BU」は米東部標準時の26日午後7時27分(日本時間27日午前9時27分)、南米南端の上空を通過した。地表からの距離は約3540キロ。人工衛星の軌道の内側だった。
米航空宇宙局(NASA)は、この小惑星が地球に衝突する恐れはないとしていた。
小惑星の直径はおよそ3.5~8.5メートル。もし地球の大気圏に突入していたとしても、火の玉となって分解していたはずだった。残骸が残れば小さな隕石(いんせき)となって地上に落下していた可能性がある。
この小惑星は、クリミア半島ナウチニにあるMARGO天文台でアマチュア天文家のゲナディ・ボリソフさんが21日に発見した。ボリソフさんは2019年に恒星間彗星(すいせい)「2Iボリソフ」を発見した実績がある。
NASAの専門家は2023BUについて、観測史上、最も地球に接近した地球近傍小惑星のひとつだったと指摘する。
小惑星の軌道は地球の重力の影響を受けて変化する。2023BUの場合、地球に大きく接近したため、通過後に太陽の周りを回る軌道に変化が生じた。
地球に接近する前までは約359日で太陽の周りを回る軌道を周回していたが、通過後はこの軌道が引き延ばされ、425日で太陽の周りを1周する軌道になった。