NASA、27年にも核熱ロケットエンジン試験へ

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核熱ロケットエンジンの実証実験を行う予定の宇宙船を描いたイメージ画像/DARPA

核熱ロケットエンジンの実証実験を行う予定の宇宙船を描いたイメージ画像/DARPA

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は24日、国防総省の研究機関「国防高等研究計画局(DARPA)」と共同で核熱ロケットエンジンの開発を目指しており、早ければ2027年にも初回の試験が行われる可能性があると明らかにした。

核熱ロケットエンジンの開発は、人類を高速かつ安全に火星まで運ぶための究極の目標となる可能性がある。

DARPAのトンプキンズ長官は声明で、「人類を初めて月に運んだサターンVロケットからロボットによる人工衛星の修理と給油まで、DARPAとNASAにはそれぞれの目標のために有益な協力を行ってきた長い歴史がある」と説明。宇宙領域は現代の商業や科学研究、国家安全保障に不可欠だとの認識を示した。

米軍とNASAは20世紀半ばに核熱ロケットエンジン技術の開発を試みたものの、計画は頓挫した。

NASAによる核熱ロケットエンジンの研究が始まったのは1959年。「NERVA」と呼ばれる60年代の主要プログラムでは、宇宙での実証実験も模索したものの、実現には至らなかった。

NASAによれば、60年代後半になるとNERVAの予算は減少し、73年、このエンジンによる飛行試験が実施される前に計画は中止になった。

近年のNASAは有人火星探査への関心を再燃させている。NASAの「アルテミス計画」では再び人類を月面に送り込み、これを足がかりに、最終的には人類による初の火星到達を目指す方針だ。

その名前が示すように、核熱エンジンは原子炉に依拠する。核分裂プロセスを使って推進剤を加熱し、ロケットが宇宙空間を推進するのに必要な推力をもたらす。NASAによると、現在のロケットが利用する化学推進の3倍以上の効率性を誇るという。

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