米新興企業、初の打ち上げに失敗 ロケットがアラスカ沖で爆発
(CNN) 米新興企業ABLスペース・システムズがアラスカ州沿岸付近で10日に試みたロケットの打ち上げが失敗に終わった。ABLのような新興企業は小型衛星群を軌道に投入するサービスに競って参入を目指しているが、各社とも相次ぎ失敗に見舞われている。
ABLは現地時間の10日午後1時27分、ロケット「RS1」の打ち上げを試みた。しかしその直後に「異常」が発生し、ロケットが「想定より早く停止した」と発表した。
同社はツイッターへの投稿で「これは今日、我々が望んでいた結果ではなかった。だが準備はしていた」と述べ、詳細については情報が入った時点で明らかにすると説明した。
今回の計画でABLは、米オムニテック社の小型衛星2基を軌道に投入することを目指していた。オムニテック(当時の社名はL2エアロスペース)は2021年、ABLの初の打ち上げについて契約を交わしていた。
前日の9日には、ABLと直接競合する米ヴァージン・オービットが、英国で初めて試みた空中発射式ロケットの打ち上げに失敗している。
小型の衛星を比較的安価で手軽に打ち上げられるサービスには、ABLのほかにも多数の企業が進出を目指している。これまでそうした衛星を打ち上げるためには、大型ロケットの空きを待たなければならなかった。
そうした新興企業が建造するロケットは、米スペースXのロケット「ファルコン9」などに比べるとはるかに小さい。しかしこれまでのところ、大型ロケットに比べた安定性は実証されておらず、この業界の新興企業はほぼ全社が最低でも1回の打ち上げ失敗を経験している。