アジアの巨大都市、海面上昇で「2100年までに一部水没の恐れ」 研究
香港(CNN) 気候変動による海面の上昇と、エルニーニョ現象などの自然変動による影響を合わせると、アジアにある巨大都市の一部は2100年までに水没する恐れがあるとの研究結果が発表された。
フランス国立科学研究センター(CNRS)と仏ラ・ロシェル大学、米大気研究センター(NCAR)の共同チームが、気候変動に関する専門誌ネイチャー・クライメート・チェンジに論文を出した。
世界の海面はすでに、気候変動による海水温の上昇と氷の融解によって上昇を続け、アジア沿岸部にある巨大都市でも洪水の危険が高まっている。新たな研究はこれに加え、自然変動による海面上昇が今まで過小評価されてきた可能性を指摘している。
NCARの発表によると、例えばエルニーニョ現象の影響で、気候変動による海面上昇が20~30%増幅される可能性がある。
自然変動はそれ自体が変わりやすく、影響を定量的に測るのは難しい。研究では、自然変動の影響を最大限に見積もった場合、気候変動の影響と合わせると、東南アジアのいくつかの巨大都市で特に大きな海面上昇が起きるとの見通しが明らかになった。
例えばフィリピンの首都マニラの沿岸部で今後100年のうちに起きる洪水の頻度は、気候変動の影響で18倍に増えることが予想される。これに自然変動の影響を加えると、頻度は最大で96倍にはね上がる計算になるという。