アジアの巨大都市、海面上昇で「2100年までに一部水没の恐れ」 研究
フィリピンの気候科学者、ローデス・ティビッグ氏は、この研究結果が気候変動対策の緊急性を浮き彫りにしていると指摘。「沿岸部の巨大都市に住む何百万人もの人々を守るため、世界は今よりはるかに大きな切迫感と熱意を持って行動を起こす必要がある」と語った。
研究チームによると、特に危険性が高いのはマニラのほかタイの首都バンコク、ベトナムの最大都市ホーチミン、ミャンマーの最大都市ヤンゴン、インド南部チェンナイと東部コルカタ、西太平洋やインド洋西部の島。米国やオーストラリアの西海岸でも、従来の予想以上の海面上昇が懸念される。
予想を上回る海面上昇で影響を受ける住民はインドだけで3000万人近く、アジア全体の巨大都市を合わせると5000万人を超えるとみられる。
研究で指摘された海面上昇の影響が出始めるのは今世紀末になる見通しとされるが、温室効果ガスの排出量が増えれば加速する恐れもある。チームのメンバーは、「最悪の事態に備えて政策を立てる必要がある」と警告している。