毒ヘビのシーズン、早くも到来 冬の温暖化で冬眠から覚める オーストラリア
(CNN) 冬としては異例の暖かさが続くオーストラリアで、毒ヘビのシーズンが例年よりも早く到来している。オーストラリア爬虫(はちゅう)類公園は「緊急警報」を出し、毒ヘビに注意するよう呼びかけた。
爬虫類公園によると、気温の上昇に降雨が重なって、毒ヘビの活動が活発化する環境が整った。
ヘビは冬の間、冬眠状態に入って活動が減り、気温が再び上昇するまで隠れ場所に潜む。例年であれば9月までは出てこないという。
しかし今年は暑さのためにヘビの出没が例年よりも早くなり、ヘビ捕獲業者が呼ばれる件数が急増している。この時期としては異例の現象だという。
「(ヘビは)人を傷つけるために出てくるわけではない。ヘビにかまれるのは、捕獲しようとしたり殺そうとしたりする場合がほとんどなので、それをしなければ大抵は大丈夫だ」と爬虫類公園は解説する。
ただ、もしかまれた場合は30分で死に至ることもあるため、どう対応すべきかは知っておく必要があると指摘。被害者を落ち着かせ、腕時計やアクセサリーを外して、かまれた場所だけでなく手足全体に包帯を巻く必要があるとした。
オーストラリアの冬は着実に温暖化が進んでいる。オーストラリア気象庁によると、ニューサウスウェールズ州の7月は観測史上4番目の温かさを記録し、全土でもこの時期の平均気温を1.2度近く上回った。
今年6月の気温が観測史上最高を記録した英国でも、気温の上昇がペットのヘビに影響を及ぼしている。
英動物保護団体のRSPCAは、温暖化の影響でペットのヘビが脱走するケースが増えたと伝えている。