NASA、小惑星「ベンヌ」の試料回収 探査機からカプセル投下
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)が地球近傍小惑星「ベンヌ」で採取した試料が24日、地球に到着した。太陽系の起源の解明や、地球に衝突する可能性のある小惑星の調査に役立つことが期待される。
7年前に打ち上げられたNASAの探査機「オシリス・レックス」は、24日に地球上空を飛行して、ベンヌの試料の入ったカプセルを投下した。
オシリス・レックスは2016年に打ち上げられて18年にベンヌの軌道に入り、20年に試料を採取。21年5月に地球への帰途に就いた。往復62億キロの旅だった。
ベンヌで採取した推定約250グラムの岩石や土壌を収めたカプセルは、地球の上空およそ10万2000キロの高さから投下され、米東部標準時の24日午前10時42分、時速4万4498キロの速度で大気圏に突入した。
カプセルはパラシュートを使って減速し、時速17.7キロの速度で降下。大気圏突入から約10分後、米ユタ州にある国防総省の実験訓練場に予定より数分早く着陸した。
NASAのビル・ネルソン長官は、過去最大の小惑星の試料が地球に届いたと評し、「ミッション・インポッシブルではなかった。不可能が可能になった」と功績をたたえた。
オシリス・レックスは太陽系の飛行を続け、今後は「オシリス・エイペックス」と名前を変えて、別の小惑星「アポフィス」の探査を目指す。
着陸地点にヘリコプター4機で到着した回収・調査チームは、着陸の際にカプセルが破損していないことを確認し、試料を回収した。