古代の巨大ザメ「メガロドン」、これまでの想定よりほっそり? 新研究
(CNN) 「MEG ザ・モンスター」などの映画に描かれた先史時代の巨大ザメ「メガロドン」は実は、これまで考えられていたよりも体が細かった――。そんな新たな研究結果が発表された。
メガロドンの生物学的特徴については多くの謎が残っているが、これまで外見のモデリングにはホホジロザメが使われてきた。
しかし、米デポール大学の島田賢舟教授やカリフォルニア大学リバーサイド校の博士候補生フィリップ・スターンズ氏らが率いるチームの新たな研究では、メガロドンはホホジロザメよりも体が細かったことが示唆されている。
メガロドンが生息していた時代は2300万年以上前。既に絶滅しており、化石の入手は難しい。サメの歯の化石は豊富に残っているが、サメの体は主に骨ではなく軟骨でできており、体の化石が保存されているケースはめったにない。
今回の新研究は、ベルギーで見つかった不完全な脊椎(せきつい)の化石の再評価に基づくもの。
従来の研究ではこのメガロドンの体長を9.2メートルと推定していたが、島田氏らは、実際には少なくとも11.1メートルはあったと指摘する。
メガロドンの新旧のイメージの比較。濃いグレーの輪郭がホホジロザメを基にした以前の体形。薄いグレーが新たな想定の体形/Kenshu Shimada/DePaul University
島田氏はCNNに対し、メガロドンがホホジロザメと同様の体形だったと想定した場合、この化石の脊椎では11.1メートルもの体長を持つサメを支えるには強度不足だとの見方を示した。
「ホホジロザメの体形をこの脊椎に直接当てはめるとすると、この脊椎の直径では小さすぎて、現実的に自らの体を支えることができなかっただろう」と島田氏は話す。
この程度の直径の脊椎ではホホジロザメのような体形の筋肉を支えるのに十分とはいえず、脊椎損傷のリスクも増大するという。
島田氏は「(メガロドンの生物学的特徴の)少なくとも一部の側面を分析するうえで、現代のホホジロザメは必ずしも適切な比較対象にはならない可能性がある」と指摘する。
研究結果は学術誌「パレオントロジア・エレクトロニカ」に21日付で掲載された。
英自然史博物館によると、メガロドンは約360万年前に絶滅した。絶滅の理由については依然として科学者が解明を試みている。