地球の自転速度、極氷の融解が変化もたらす 新研究

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フィヨルドの氷が解け流れ出る水=2023年8月12日、グリーンランドのフィヨルド/Olivier Morin/AFP/Getty Images

フィヨルドの氷が解け流れ出る水=2023年8月12日、グリーンランドのフィヨルド/Olivier Morin/AFP/Getty Images

地球の自転速度は、長期的には「潮汐(ちょうせき)摩擦」(潮の満ち引きによって起こる海水と海底との摩擦)により遅くなっている。ただ最近では、極氷の融解が非常に重要な要素になっていると、論文著者で米カリフォルニア大学サンディエゴ校のダンカン・アグニュー教授(地球物理学)は指摘する。極氷の融解は、人類が化石燃料の使用で引き起こす温暖化に伴って起こる。

極氷が海洋に溶け出すと、その分の水が極地から赤道に向けて移動する。この現象により、地球の自転速度は一段と遅くなると言う。

ただ前述のように、地球の自転速度には内部のコアの動きも影響を及ぼしている。コアの運動には自転を加速させる働きがあり、研究によれば上記の極氷の融解があってもなお全体的には地球の自転速度は上がっているという。

そのため近い将来、世界は初めて1秒を減らすことによって1日の時間を調整することが必要になる。

多くのコンピューターシステムには、1秒を追加する機能が備わっている。しかし1秒を削減する機能があるシステムはほとんどない。人間の手作業でコンピューターのプログラムを入力し直す場合、エラーが起きる可能性もある。

「うるう秒を減らさなくてはならないほど地球の自転が加速するとは、実際のところ誰も予想していなかった」と、アグニュー氏は明かした。

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