トラック横転で投げ出されたサケ、7万匹は川に逃げて無事 米オレゴン州
(CNN) 米オレゴン州で、川に放流する予定だったサケ10万匹以上を積んだトラックが横転する事故があった。トラックから投げ出されたサケは7万匹以上が近くの小川に到達し、この川で生き延びると予想されている。
オレゴン州魚類野生生物局の発表によると、事故は3月29日に発生。トラックは、川から海へ移動する時期のスモルトと呼ばれる若いキングサーモン10万2000匹を運んでいた。
トラックは急カーブを曲がり切れずに舗道側へ横転し、岩だらけの土手に乗り上げて逆さまになった。この事故で運転手は軽傷を負った。
現場はルッキンググラスクリークに面しており、サケ約7万7000匹はこの小川に流れ込んだ。いずれ産卵のため、この小川に戻ってくると期待されている。
一方で、死んだ2万5529匹はトラックの中や土手で死骸が回収された。
トラックから投げ出され、2万匹あまりのサケが死んだ/U.S. Fish and Wildlife Service
トラックが運んでいたのは同地の国有林を流れるイムナハ川に放流するはずだったサケで、今年この川に放流予定のサケの約20%を占めていた。この影響で、2026~27年に成体になって戻って来るサケは500~900匹ほど減ると同局は予想している。
同地ではサケの個体数を保つため、ルッキンググラス養殖場でサケを育て、イムナハ川に戻して放流している。
オレゴン養殖研究センター長を務めるオレゴン州立大学のセス・ホワイト教授は、サケは生命力が非常に強いことから「小川に流れ込んだサケの多くは生き延びるだろう。サケは順応性が高く、新しい環境にもすぐになじむ」と指摘している。