ゴキブリはどのようにして世界中に勢力を拡大したのか?

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チャバネゴキブリは2000年以上前の南アジアに起源を持つとの研究結果が発表された/ErikKarits/iStockphoto/Getty Images

チャバネゴキブリは2000年以上前の南アジアに起源を持つとの研究結果が発表された/ErikKarits/iStockphoto/Getty Images

(CNN) 人々を悩ませるチャバネゴキブリは2000年以上前の南アジアに起源を持つことが分かった。米国科学アカデミー紀要に発表された研究で明らかになった。

チャバネゴキブリがたどった古代アジア文明から現代までの道のりは、世界的な交易や植民地化、戦争の歴史的な変化と密接に一致しているという。

チャバネゴキブリは、世界中の都市に生息している。初めてその存在が科学的に記録されたのは250年前の欧州だが、その起源についてはほとんど知られていなかった。

研究チームは17カ国57カ所から281匹のチャバネゴキブリの標本を入手し、そのDNAを調査して進化を追跡。その結果、2100年前に野生のオキナワチャバネゴキブリから進化したことが判明した。

ゴキブリと交易ルート

研究者らは、現在のインドやミャンマーに住む人々がゴキブリの生息地に作物を植え始めたと推測する。ゴキブリは人間の食べ物を食べるように進化し、人間の家へと縄張りを移した。

それから1000年後、南アジアや中東、欧州との間で交易や軍事活動が活発化するにつれ、家庭に入り込んだゴキブリは、おそらく兵士や旅行者の荷物に紛れ込み、西へと勢力を拡大していった。研究チームが行った遺伝子解析によると、ゴキブリが欧州に初めて入ってきたのは270年ほど前だ。さらに欧州から米大陸に渡ったのは約120年前だという。

ある専門家は「屋内の配管や暖房など人間の繁栄を可能にしたものが、ゴキブリの繁栄も可能にした」と話す。「都市の地下に作った下水道は、ゴキブリにとってこれ以上ない食事場所になった」

研究者らは、チャバネゴキブリの殺虫剤耐性といった他の多くの害虫にはない性質に着目し、なぜこれほど速く進化し、人間の環境に適応できたのかを解明したいと考えている。

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