1939年に借りたコナン・ドイル作品、84年ぶりに返却 フィンランド図書館

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1939年に貸し出された本が84年を経てフィンランドの図書館に返却された/Siina Tiuraniemi/City of Helsinki

1939年に貸し出された本が84年を経てフィンランドの図書館に返却された/Siina Tiuraniemi/City of Helsinki

(CNN) フィンランド首都ヘルシンキの公共図書館でこのほど、英小説家コナン・ドイルの作品「亡命者」が返却期限から80年以上後に返却され、職員が驚きに包まれる出来事があった。

この小説はオリジナルの英語版のフィンランド語訳で、5月27日にヘルシンキ中央図書館のロビーで返却が受け付けられた。返却期限の1939年12月26日から84年あまりの時が過ぎていた。

返却された本には借りた人の図書カードが挟まっており、職員はヘルシンキのプルシミエヘンカトゥ地区に住んでいたビジネスマンが借り主だとみている。

図書館で本を受け取った司書ヘイニ・ストランドさんは31日、CNNの取材に「返却した人は元の借り主との関係に触れず、私たちも聞かなかった」と語った。

コナン・ドイル著「亡命者」のフィンランド語訳/Siina Tiuraniemi/City of Helsinki
コナン・ドイル著「亡命者」のフィンランド語訳/Siina Tiuraniemi/City of Helsinki

この本が返却されなかった理由を説明するには、返却期限のタイミングが重要だとみられる。旧ソ連は1939年11月30日にフィンランドを攻撃した。

「(ソ連とフィンランドの)冬戦争は返却期限の1カ月前に始まった。従っておそらく、期限内に図書館の本を返却することは借り主の心の中で最優先事項ではなかったのだろう」(ストランドさん)

返却された本は歳月を考えると相当良い状態で、一般向けの貸し出しを再開する可能性もあるという。

ヘルシンキ中央図書館では返却の遅れに対し最大6ユーロ(約1000円)の罰金を設定しているが、図書館のシステムは貸し出し当初から何度も変わっており、この本はもうシステムに含まれていないことから、罰金は科されなかった。

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