アフリカゾウは互いを「名前」で呼び合う、鳴き声の解析が示唆 米研究

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子ゾウをあやす親のゾウ=ケニアのサンブル国立保護区/George Wittemyer

子ゾウをあやす親のゾウ=ケニアのサンブル国立保護区/George Wittemyer

研究チームは17頭のゾウに対する呼びかけの鳴き声を再生し、ゾウたちがその声を識別して呼びかけた相手に反応するかどうかを観察した。

その結果、同じゾウが別のゾウに呼びかけた鳴き声よりも、自分に向けられた鳴き声の方に強い反応を示すことが分かった。「つまりゾウたちはその鳴き声を聞いただけで、自分を呼ぶ声なのかどうかが分かる」(パルド氏)

この研究はゾウの認知能力を物語ると同氏は言う。「もしもゾウたちがこのように互いを呼び合うのであれば、基本的には互いに名前を付けていることになる。これは抽象思考の能力を示唆する。任意の音声を学習してそれを他の個体と関連付け、実質的に互いを名前で呼び合っている」

ゾウたちは生涯を通じてさまざまな個体との間で社会的絆を保つ。親密な相手と離れ離れになった場合は注意を引くための鳴き声を使い、近くにいる相手には社会的絆を強めるための鳴き声を使っている可能性がある。これは、人間が自分の名前を覚えてくれている相手に対して好意的な反応を示すのと似ていると研究者は指摘する。

ゾウが互いに近くにいる時は、子育ての鳴き声の方が、あいさつの鳴き声よりも機械学習モデルで正確に分類できる傾向があった。子育てをしているゾウは、自分の子どもをあやしたり名前を覚えさせたりする目的で、名前を使う頻度が高いのかもしれないと研究チームは推測している。

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