古代の墓63基と黄金の財宝、エジプトの墓地で発掘
富と地位を表す古代エジプトの埋葬
ネクロポリスの発掘と探検は長年にわたって続けられている。観光・考古省は2019年、ビザンチン時代(紀元284~641年)の金貨7枚と、第26王朝のプサムティク2世の名が刻まれたウシャブティ像のコレクションが見つかったと発表した。
22年には、猫の姿で現れて死後の人々を導くとされる女神バステトや、ハヤブサとして描かれる守護神ホルスなど、エジプトの神々をかたどった金箔の像多数が20基の墓から見つかったと発表した。
22年に発見された墓地には穴を掘っただけの単純な墓や、泥れんが(泥など天然の材料を混ぜて作った空気乾燥のれんが)の墓、さらには裕福な人物のものだったと思われる石灰岩でできた墓もあった。一方、今回発見された63基は、泥れんがの墓や簡素な埋葬の墓がほとんどだった。
米メンフィス大学のローレライ・コーコラン教授(今回の発掘にはかかわっていない)は、「ダミエッタで続けられている発掘の最も興味深い側面は、同じ墓地の中で、死者を単純な穴に埋葬するものから、泥れんがの構造の中に埋葬するものまで、幅広い埋葬技術が記録されていることだ」と指摘。「エジプトの神々の形をした金箔のお守りや多数の硬貨の発見と併せて考えると、ここに埋葬された人物の富と地位が二分されることを表している」と電子メールで言い添えた。