「エリンギ」に制御される新しいロボット、菌類が発する電気信号と光の感度を活用

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コーネル大学の研究によると培養された菌類がロボットの支持構造と完全に一体化するには14~33日かかったという/Anand Mishra

コーネル大学の研究によると培養された菌類がロボットの支持構造と完全に一体化するには14~33日かかったという/Anand Mishra

キノコの菌糸体によって制御されるロボットに関する研究は先月28日、学術誌「サイエンスロボティクス」で発表された。この研究の上席著者であるコーネル大学のロバート・シェパード教授は「計算、理解、反応としての行動を含むメカニズムは、生物界と人間が作り出した人工世界で行われる。そしてほとんどの場合において生物学は人工システムよりも優れている」と述べた。

「バイオハイブリダイゼーションは、人工システムの機能を向上させるために活用、理解、制御できる構成要素を生物界の中で見つけようとする試みだ」(シェパード氏)

一部は菌類、一部は機械

研究チームは栽培が簡単ですぐに成長するエリンギを栽培し、糸状の構造、つまり菌糸体を培養した。菌糸体はネットワークを形成し、栄養素を感知、伝達し、輸送できるという。

菌糸体は小さな電気信号を生成するため、電極に接続できる。

一方で菌糸体の小さな電気信号を検出してロボットに指示を出すシステムを設計するのは難しいことが判明した。

そこで筆頭著者のアナンド・ミシュラ氏は、菌糸体の電気活動を正確に読み取り、処理して、ロボットのアクチュエーターや可動部品を作動できるデジタル情報に変換する電気的インターフェースを設計した。

ロボットは菌糸から発生する電気スパイクに反応して歩いたり転がったりできる。研究者らが紫外線でロボットを刺激すると、ロボットは動く速度や軌道を変え、環境に反応できることを示した。

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