古代エジプト王の墓見つかる、「トトメス2世」の治世探る手がかりに
エジプトの考古最高評議会のハレド事務局長によると、この発見は近年で有数の重要な考古学的進展を示すものだ。同氏は、墓で発見された遺物からはこの地域の歴史とトトメス2世の治世に関する重要な洞察が得られるとの見方を示した。
トトメス2世について知られていることはほとんどない。学者たちは治世の期間さえ議論しており、3、4年か14年以上だった可能性がある。
リザーランド氏は、墓は「彼がハトシェプストによって埋葬されたのであって、息子である幼いトトメス3世によって埋葬されたのではないことを示している。先代を埋葬することがファラオの義務だったにもかかわらず」と指摘した。
リザーランド氏は、このことによって、若いトトメスがハトシェプストとの関係を断ち切り、「父と祖父とのつながりを強調」することに「非常に熱心だった」理由を説明できると考えている。
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考古学チームは青い碑文や黄色い星のモチーフなどの破片を発見した/Ministry of Tourism and Antiquities
調査団によると、王の死後間もなく起きたと思われる洪水のために、発見されたときの墓の保存状態は悪かった。墓の内部は水で傷み、墓の中にあった遺物は別の場所に移された可能性が高いことが予備調査で示唆されている。
しかし、考古学チームは墓の中の剥がれ落ちた壁土の破片を修復することができた。その中には、青色の碑文、黄色い星のモチーフ、古代エジプト王墓に関連する宗教文書である「アムドゥアト書」の一部が刻まれたものがあった。
リザーランド氏は、この墓の単純な建築デザインは、その後の第18王朝の王墓の基本型になったと指摘した。調査団は今後もこの地域のさらなる秘密を解明し、墓に元々あった品々が最終的に安置された場所を見つけるための作業を続けるという。