スペースXの宇宙船「クルードラゴン」、打ち上げ成功 ISS滞在ミッションの飛行士入れ替えへ
(CNN) 米スペースXは米東部時間14日の午後7時3分、フロリダ州のケネディ宇宙センターから宇宙船「クルードラゴン」を打ち上げた。乗り込んだ宇宙飛行士らは国際宇宙ステーション(ISS)で、滞在中の宇宙飛行士らから任務を引き継ぐ。このうち米航空宇宙局(NASA)に所属する飛行士2人は当初数日で地球に帰還する予定だったはずが、9カ月にわたってISSに滞在する事態となっていた。
「クルー10」と呼ばれる今回のミッションは定期的なスタッフの入れ替えの一環で、NASAとスペースXが共同で運営する。
スペースXのロケット「ファルコン9」で打ち上げられたクルードラゴンには、NASAのアン・マクレイン飛行士とニコール・エアーズ飛行士、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓哉飛行士、ロシア宇宙機関ロスコスモスのキリル・ペスコフ飛行士が搭乗する。
4人は15日の午後11時半前後、ISSにドッキング予定。その後数日を費やし、現在滞在中の飛行士らとの「引き継ぎ」作業を行う。
先のミッション「クルー9」で使用する宇宙船は昨年9月からISSにドッキングしている。全てが計画通り進めば、同ミッションに参加したNASAのニック・ヘイグ飛行士とロシアのアレクサンドル・ゴルブノフ飛行士は、NASAのサニ・ウィリアムズ飛行士、バッチ・ウィルモア飛行士の2人と共にクルー9の宇宙船に乗り込み、3月19日に地球へ帰還する。
NASAは当初、4人を16日にも帰還させる予定だったが、スペースXが入れ替えの飛行士らを乗せたクルー10の打ち上げを12日に中止したため、延期となっていた。中止の原因は地上設備の不具合だった。

NASAのアン・マクレイン飛行士とニコール・エアーズ飛行士、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓哉飛行士、ロシア宇宙機関ロスコスモスのキリル・ペスコフ飛行士。14日の打ち上げ前の様子/Brandon Bell/Getty Images
帰還予定の上記の飛行士のうちウィリアムズ、ウィルモア両氏は昨年6月、米ボーイングの宇宙船「スターライナー」のテスト飛行でISSに到着した。当初は数日間のみの滞在予定だったが、スターライナーにヘリウム漏れや推進装置の不具合などの問題が発生し、2人が同船で地球に戻るのは危険すぎるとNASAが判断。スターライナーは9月6日に無人で地球に帰還した一方、ウィリアムズ氏とウィルモア氏はその後もISSに滞在する状況が続いていた。