ルーブル、ナチス押収作品を常設展示に 持ち主探す狙い
(CNN) フランスの首都パリにあるルーブル美術館が、ナチス・ドイツにより押収された絵画などの常設展示コーナーを設けている。正当な持ち主の子孫と作品を再びつなぐのが狙いだ。
ルーブルでは既にドイツ側から回収した絵画1700点以上を展示しており、今回新たに31点が加わる形となる。
今回の絵画などについては、略奪品の回収を専門とする国家プロジェクトのカタログで管理している。
ルーブルの声明によれば、文化省設立の作業部会が専門委員会と共同でこうした作品の由来を調査中。略奪品とそうでないものを判別するのが狙いだ。
また、略奪品の場合には当時の所有者を特定することにも尽力している。このやり方で1951年以降、50点以上の絵画を持ち主のもとに返還してきたという。
フランスでは第2次世界大戦中のナチス占領期に、芸術作品など約10万点がドイツ軍により押収された。専門委員会が監督に当たって6万点超の返還を実現し、4万5000点以上は元の所有者の家族の手に戻ったという。