宮殿で展示の宝石、白昼堂々盗む 手慣れた犯行か ベネチア
(CNN) イタリア・ベネチアの観光名所ドゥカーレ宮殿で、入場者に紛れ込んだ2人組の人物が白昼堂々、展示されていた宝飾品を盗み出すという、ハリウッド映画さながらの事件が起きた。
ドゥカーレ宮殿ではカタールの王族が所有するインドの宝飾品が展示されていた。事件は展示最終日の3日に発生。地元警察は、少なくとも2人組の犯人が侵入し、1人が見張っている間にもう1人が展示ケースから宝飾品を持ち去ったと見て調べている。
盗まれたのはダイヤモンドとゴールドやプラチナをあしらったブローチ1個とイアリング1組。カタールのシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アルサーニ殿下のものだった。
同館の警備責任者から宝飾品の一部がなくなっているとの通報を受けて、警察が現場に到着したのは同日午前10時17分だった。
これまでの捜査の結果、2人組は警報装置の作動を1分間遅らせて、逃走する時間を稼いでいたことが判明。警察幹部は熟練した窃盗犯の犯行だったとの見方を示し、「間違いなく周到に準備し、狙いを定めていた」と指摘した。
盗まれた宝飾品は国際的に評判が高いことからそのまま転売することは難しいと思われ、解体して売られる可能性が大きいと警察は見ている。
ロイター通信は当初、警察幹部の話として、盗まれた宝飾品の関税課税価格は3万ユーロ(約400万円)だが、実際には数百万ユーロ(数億円)の価値があると伝えていた。
ベネチア警察はCNNの取材に対し、「多大な価値」があると語ったが、具体的な推定額は明らかにしていない。
ドゥカーレ宮殿も、アルサーニ殿下の宝飾品2点が盗まれたことを確認した。ただ、盗まれたのは「最近になって制作されたもので、歴史的価値の高い宝飾品に比べれば、価値は取るに足りない」と説明している。