北朝鮮と韓国、南北通信チャンネルでの連絡再開 約2年ぶり
ソウル(CNN) 北朝鮮と韓国は3日、板門店にある南北通信チャンネルでの連絡を約2年ぶりに再開した。昨年1年間にわたり敵対姿勢が激化していた後に外交局面で大きな突破口が開けた形で、将来的な対話につながる可能性もある。
北朝鮮国営メディアでの発表によると、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は現地時間午後3時に通信を再開するよう指示。韓国統一省によれば、北朝鮮側から指示通りの時間に最初の連絡があり、双方は韓国時間の午後3時30分から50分まで通話を行った。20分間の通話中、両国は通信チャンネルに関する技術的な問題をチェックしたという。
統一省はまた、午後6時7分に北朝鮮から2度目の連絡があったことを明らかにしたうえで、この日の通話はこれで終了したと示唆した。
通信チャンネルが機能すると確認したこと以外の協議内容は不明。当局報道官はCNNに、将来の対話や、来月韓国で行われる平昌(ピョンチャン)五輪への言及はなかったとしている。
正恩氏は今回の通信再開に先立ち、北朝鮮派遣団の五輪参加に向けた意欲を表明。新年の辞で韓国に対し異例ともいえる歩み寄りの姿勢を示し、北朝鮮チームの派遣に関する協議を「可能な限り早く」始めるべきだと示唆していた。
これに対し韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は2日の閣議で、北朝鮮の五輪参加を円滑に進めるための措置を早急に講じるよう要請していた。
一部の専門家は北朝鮮の対話姿勢について、米韓同盟にくさびを打ち込む狙いがあるのではないかと指摘している。一方で、南北対話は米政府にとって有利に働く可能性があるとの見方もある。