W杯観戦のイングランドファン、ナチス式敬礼 動画浮上で捜査
(CNN) サッカー・ワールドカップ(W杯)が開催中のロシアのバーでイングランドのファンがナチス式敬礼を行ったり、反ユダヤ的な歌を口にしたりする様子を捉えた動画が浮上し、英警察が捜査に乗り出していることが22日までに分かった。
報道によれば、動画はロシアのボルゴグラードで撮影されたもの。ボルゴグラードでは18日、イングランドにとってW杯初戦となるチュニジア戦が行われていた。
ロイター通信によると、W杯対策を指揮する英警察幹部は「動画に見られる忌むべき行為は全く容認できず、許されない」と強調。捜査チームが既に関与者の特定を急いでおり、あらゆる適切な対応を取っていく見込みだと明らかにした。
英タブロイド紙サンが公開した動画では、イングランド・プレミアリーグのクラブ、トッテナム・ホットスパーのユダヤ系の伝統をあざける声や、第2次世界大戦中にナチス・ドイツの集会で使われた「ジークハイル(勝利万歳)」の言葉を叫ぶのが聞こえる。
イングランドサッカー協会(FA)の広報担当者は「この動画の人物たちの行動を強く非難する」と表明。関係当局と協力して対応に当たっていることを明らかにした。
ボルゴグラードで行われたチュニジア戦では、イングランドのファンおよそ2500人が観戦に訪れた。
ボルゴグラードの旧名はスターリングラードで、第2次世界大戦の激戦地。試合前には、イングランドのサポーターや英外交官が命を落とした人々を悼んで献花する場面もあった。同地では1942年7月から43年2月にかけ、ドイツ軍の進撃を食い止める戦いでソ連側に100万人以上の犠牲者を出している。