人質女性の遺体返還か、イスラエル当局が身元確認を準備 前日の遺体は「別人」
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスに拘束されていた女性人質シリ・ビバスさんを巡り、イスラエル当局がビバスさんのものとみられる遺体の身元確認作業を準備していることが分かった。イスラエル当局は前日、ハマスがビバスさんと主張する別の遺体について、ビバスさんのものではないと断定していた。
赤十字国際委員会(ICRC)は21日にハマスから棺(ひつぎ)を受け取り、遺体をイスラエル当局に引き渡したと発表。短い声明で、遺体の詳細や出所については確認できていないと明らかにした。
ハマスが運営するメディアも同日、ハマスの指導者マフムード・マルダウィ氏の話として、ビバスさんの遺体を赤十字に引き渡したと伝えた。
イスラエル警察の報道官は、係官が遺体の入った棺に付き添い、法医学センターまで運ぶ見通しだと明らかにした。
沿道には数十人のイスラエル人が並び、イスラエル国旗や人質全員の解放を象徴的に呼び掛ける黄色い旗を振りながら、棺を運ぶ車列の到着を待っていた。
ビバスさんを巡っては当初、ハマスが20日に返還した人質4人の遺体の中に、息子2人や別の人質オデッド・リフシッツさんと共にビバスさんの遺体も含まれているものと見られていた。
だが、イスラエル当局による法医学検査の結果、息子2人とリフシッツさんの遺体はあるが、4人目の遺体はビバスさんのものではないことが判明。この遺体は他のどのイスラエル人人質とも一致しなかった。
ハマスはビバスさんと息子2人について、2023年のイスラエルの空爆で死亡したと主張。この空爆で死亡した別の人物の遺体と取り違えた可能性があると述べ、調査を明言していた。
一方、イスラエルはビバスさん一家が死亡した経緯に関しハマスの説明を受け入れていない。イスラエル軍のハガリ報道官は21日、法医学的な証拠ではテロリストが「素手で」息子2人を殺害したことが示されていると主張した。