イスラエル軍、ヨルダン川西岸の集合住宅を破壊 数万人が避難
イスラエル軍、ヨルダン川西岸の集合住宅を破壊
(CNN) イスラエル軍が18日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の難民キャンプで集合住宅の建物12棟以上を破壊した。パレスチナ当局者がCNNに明らかにした。
2023年10月以来、イスラエル軍はヨルダン川西岸の民兵を標的にすると称して空爆などの攻撃を続けている。先月からはヨルダン川西岸の北部を狙った「アイアンウォール作戦」を展開していた。
国連によると、この作戦のためにヨルダン川西岸の北部で少なくとも4万人のパレスチナ人が自宅からの避難を強いられている。
ヨルダン川西岸トゥルカレムのアブドラ・カミル知事は19日、数十世帯が居住していた建物が18日に破壊されたとCNNに語り、「イスラエル軍は治安とテロ対策の口実でやっている」と指摘。しかし、これはイスラエル政府の強硬派を満足させるための「純粋に政治的な」作戦だと訴えた。
パレスチナのテレビ局が放送した映像には、トゥルカレム難民キャンプの住宅とされる建物がブルドーザーで解体される様子が映っている。別の角度からとらえた現地のジャーナリストの映像は、難民キャンプの狭い道路に入ったブルドーザーや、路地を歩く兵士たちが映っていた。
イスラエル軍は18日、ヨルダン川西岸北部で25人を「テロ行為に関与した」容疑で逮捕したと発表した。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、1月にヨルダン川西岸ジェニン難民キャンプで始まったイスラエル軍の作戦は、その後トゥルカレム、ヌールシャムス、ファラの難民キャンプに拡大した。
トゥルカレムのカミル知事は、ヌールシャムスとトゥルカレムの難民キャンプでは、住民の85%に当たるおよそ1万6000人が避難を強いられたと話している。