イスラエル、レバノン南部に部隊を維持 撤退期限守らず
(CNN) イスラエル軍は18日の撤退期限後も、レバノン南部の五つの拠点に部隊を維持し続けている。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは、イスラエルが停戦合意に違反していると警告している。
イスラエル国防軍(IDF)の報道官は17日、同軍が当面レバノンにある当該の駐屯地に残ることを明らかにした。引き続き自国の住民を守り、差し迫った脅威を確実に防ぐためだとしている。イスラエル軍が特定したレバノン南部の少数の戦略拠点からは、イスラエル北部の共同体数カ所が見渡せる。
イスラエルとヒズボラは昨年11月、1年間続いた戦争を終えた。停戦の仲介には米国が部分的に関与した。イスラエルの撤退期限は当初今年1月に設定されていたが、同国の要望により今月18日に延期されていた。
現状に基づいて少人数の部隊を上記5カ所に配備するとしたIDFの報道官は、停戦合意を守る意向を示しつつ、レバノン政府が駐留延長に同意しているのかどうかは明言しなかった。ただイスラエル政府が米国の主導する停戦仲介国に連絡を取ったとだけ述べた。
レバノンの国営通信社NNAによると、同国議会のベリ議長は先ごろ米国からイスラエルの計画について通知を受けていたが、本人は撤退期限の延長に関する協議を一切拒否したという。ベリ氏はまた、撤退を課すのは米国の責任だとも主張。イスラエル軍が当該の拠点に駐留し続けるなら、それは同軍が今後移動の自由を行使し、レバノンを侵略することを意味するのであり、受け入れることはできないと述べた。
一方イスラエルは、レバノン側がリタニ川以南での配備に関して停戦合意を守っていないと非難している。合意ではリタニ川以南からは、イスラエルとヒズボラの双方が撤退することになっている。