世界に広がるハリウッドパワー 好きと嫌いは表裏一体?
ドイツでは、米国大衆文化が好きなのは、50歳以上の人では47%だが30歳未満では94%にも上る。ロシアやフランス、英国などでも同様の世代間のギャップが見られるが、米国大衆文化はほとんどの国で、特に若者達を引き付けている。
中国で米国大衆文化を好きなのは、大卒では74%だが、高卒以下では半数未満であるように、多くの国で学歴によっても好感度に差が出ている。
ただし、特にイスラム圏諸国などでは、米国大衆文化への好感度は低い。ピュー・リサーチの調査対象20カ国の内、パキスタンとトルコ、エジプト、ヨルダンの4カ国で、過半数の人が、米国の映画・音楽・テレビ番組は好きではないと答えている。
米国文化への見方と米国全般へのイメージは連動しており、これらの国では、米国の政策などへの反発・不信がいまだに強い反米感情につながっている。
しかし、イスラム諸国においても意見に違いはある。
各宗派が入り組んだレバノンでは、イスラム教スンニ派の約6割が米国大衆文化を好きと答えているほか、同シーア派の約半数も米国文化に好感を抱いている。特に後者は、シーア派のわずか7%しか米国に対して肯定的な見方をしていないことを考えると驚くべき数字だ。また、同国のキリスト教徒では、約8割の人が米国大衆文化を好きだと答えている。