世界に広がるハリウッドパワー 好きと嫌いは表裏一体?
もちろん、米国やその娯楽文化に好感を持つ国においても、米国文化の侵入を不安視する声は少なくない。
調査対象20カ国の中で、自国内への米国の習慣・思想の浸透を過半数の人が肯定的に捉えているのは日本(58%)だけだった。英国をはじめ、フランスやスペイン、ドイツ、チェコ、ギリシャでは、同じ見方をする人は3分の1未満で、エジプトやヨルダン、トルコ、パキスタンでは、その割合はさらに低くなっている。
ただし、米国文化への反感と好感は表裏一体であることが多いという現実もあり、米国映画の海外での人気と興行収入はさらに拡大している。
結局、米国文化だけが世界中に広まることに対する不安はあっても、多くの人はアカデミー賞授賞式にひきつけられるのである。
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本記事は、米調査機関ピュー・リサーチ・センターのアソシエートディレクターであるリチャード・ワイク氏よるものです。記事における意見や見解は全てワイク氏個人のものです。