イラクでサッカー国際試合解禁 シリアと対戦、観客は涙
バグダッド(CNN) イラクの首都バグダッドで26日、サッカーの国際親善試合が行われ、イラクとシリアのチームが対戦した。バグダッドでの国際試合は約4年ぶり。戦争やテロで引き裂かれてきた国民が一丸となって応援する姿に、涙を流すファンもいた。
観客の19歳の男性は「自分の目が信じられない。これまでの人生で、これほど多くのイラク人が1カ所に集まって楽しそうに歌ったり踊ったりしている光景は見たことがなかった。僕にとって最高に幸せな瞬間だ」と涙を流した。
別の男性も「この時を心待ちにしていた。イラク人が共に平和に暮らす時が来た。もう殺戮(さつりく)や破壊は十分だ。このスタジアムで今そうしているように、平和に共存したい」と心境を語った。
バグダッドでサッカーの国際試合が開かれるのは2009年7月以来。この時はパレスチナのチームを相手にイラクが4-0で勝利した。
その後11年9月に北部イルビルで行われたヨルダンとの試合で治安および技術上の問題が浮上したことを受けて、国際サッカー連盟(FIFA)はイラクに対し、同国内での国際試合禁止を通告。先週になってようやく、この禁止令が解除された。
26日の親善試合でイラクサッカー協会が対戦相手に選んだのはシリアだった。観客の男性は「シリアは過去何年にもわたってイラク人のために国境を開放してくれた。今度は私たちがそのお返しに、シリアの人たちに支持を表明する番だ」と話す。
試合は2-1でイラクが勝利した。