英ノーベル賞受賞作家、ドリス・レッシングさん死去
(CNN) 英国のノーベル賞受賞女性作家、ドリス・レッシングさんが17日、ロンドンの自宅で死去した。94歳だった。出版社のハーパーコリンズが明らかにした。
レッシングさんは2007年に88歳でノーベル文学賞を受賞。フェミニスト小説の中でも特に優れた作品と評される1962年の代表作「黄金のノート」など50冊あまりの作品を残した。
当時のペルシャ(現イラン)で英国人の両親の下に生まれ、英国の植民地だったアフリカの南ローデシア(現ジンバブエ)で育った。7歳の時から執筆を始め、「私は生まれながらの物書きだった」と語っていた。
学校は13歳で退学し、ディケンズやトルストイなどの小説を読んで成長。作品の多くはアフリカでの体験をもとにしており、ロンドンに移り住んだ翌年の1950年、抑圧されるアフリカの黒人と白人の対立を描いたデビュー作「草は歌っている」を出版した。
ハーパーコリンズ英国法人のチャーリー・レドメイン最高経営責任者(CEO)は追悼談話を発表し、「ドリスは私たちの時代の最も偉大な作家の1人だった。辛辣(しんらつ)な知性と温かい心で読者の心をつかむ語り手であり、自らが信じるもののために戦うことを恐れなかった」とレッシングさんの功績をしのんだ。