ジェームズ・ボンドは飲み過ぎで早死に? 英研究
(CNN) 小説「007」シリーズに登場する英国のスパイ、ジェームズ・ボンドは、アルコールの飲み過ぎによる疾患で56歳までに死亡する――。そんな研究結果が、ユニークな論文を集めた英医学誌のクリスマス号に紹介された。
英ロイヤルダービー病院などの研究者は、ボンドの飲酒量と健康への影響を調べる目的で、イアン・フレミング原作の007シリーズ小説全14巻を調べ、アルコール関連のエピソードが出てくる日数を集計した。
その結果、ボンドは1週間に92ユニット(1ユニットはエタノール8グラム相当のアルコール量)のアルコールを摂取していたと推定。これは医師が勧める適正量の4倍以上に当たる。ワインボトル1本で9ユニット、ビールジョッキ1杯で3ユニットに相当するという。
1日の消費量が最も多かったのは、「ロシアから愛をこめて」の物語が始まってから3日目で、消費量は約50ユニットだった。
ボンドには「直ちに精密検査と治療を受け、アルコール消費量を減らすよう勧める」と研究チーム。
飲酒に起因するけがや肝硬変、中毒、悪性腫瘍(しゅよう)といった疾患のために死亡する人は世界で250万人に上る。ボンドのように1日60グラム以上のアルコールを摂取すれば、そうした疾患やうつ、高血圧などのリスクも高まるほか、性機能障害になる可能性もあり、若くして死亡する公算が大きいという。
原作者のフレミングは酒好きの愛煙家で、心疾患のため56歳で死亡した。「ボンドの余命も同じくらいかもしれない」と研究チームは予想している。