エベレストに警官が常駐へ、登山客とシェルパのもめ事調停
(CNN) ネパールの登山行政当局は27日までに、世界の最高峰エベレストの登山客やガイドのシェルパらとの間のもめ事の防止や調停を図るため同峰のベースキャンプに警官や陸軍兵士を常駐させる計画を明らかにした。
春の登山シーズンとなる今年3月から開始の予定。派遣人員は最大で9人。
登頂をめぐるもめ事はこれまで首都カトマンズの担当部局などへの報告が定められていたが、現地での要員常駐でより迅速な処理を目指す。
今回の計画は昨年4月、欧州の登山家とシェルパの間で起きた衝突を踏まえた措置。衝突はザイルを設けるなど登頂順位を争う口論が原因とされ、投石や氷塊を故意に落とす事態発生も伝えられていた。このもめ事はネパール陸軍将校の仲裁で収まったとされる。
警官らがベースキャンプに常駐することで、ネパール側の連絡要員がもめ事を近くの警察署に報告する手間が省ける。同国政府はまた、年内にベースキャンプに文民が率いる事務局を設置し、警官らの報告を受ける制度を発足させる。
ネパールの登山行政当局は2012年、登山客の混雑を黙認していることが事故発生の一因との批判を受けたこともある。経験の乏しい客の頂上制覇を止めさせ、熟練のクライマーのみを許可すべきとの要望も出ていた。
政府は混雑を緩和するため今年、登山隊の人数に関係なく登山客1人当たり1万1000ドルの入山料を請求する新たな方式を導入。入山料は昨年、7人以上のパーティーなら1人2万5000ドルの料金が1万ドルに値下げされていた。このため見知らぬ同士の登山客がにわかチームを結成し、安い入山料を支払う弊害も生まれていた。