トランプ氏が就任後初の議会演説 実績を強調、民主党からは批判の声も

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トランプ氏が施政方針演説、関税政策で強気の発言

(CNN) 米国のトランプ大統領は4日、2期目の就任後初めて、議会の上下両院合同会議で施政方針演説を行った。今回の議会演説は就任から43日間の実績を誇ると同時に、トランプ氏がもたらした急激な変化についていけていないかもしれない米国民に対して自身の行動の正当性を示そうとするものでもあった。

トランプ氏が関税や連邦政府機関の人員削減、外交政策などで劇的な措置を講じたことで、民主党からの怒りを買ったほか、共和党の一部からでさえ懐疑的な見方が出た。外国政府はトランプ氏が課した関税への対応に追われている。トランプ氏の課題は、今回の議会演説で、こうした政策の理由について説明することだった。

トランプ氏の演説はほぼ二つのカテゴリ―に分けられる。一つは、原稿を表示する「テレプロンプター」では抑制することのできないような騒々しい集会での発言。もう一つは、騒々しいイベントほどの熱気には欠ける、より堅実な政策演説だ。

トランプ氏は演説中に民主党からのやじをかわす用意もあったが、演説は今年最大級のテレビ視聴者に向けて自身の主張を伝えるため、慎重に台本が練られていた。民主党が自身を称賛しなかったことさえも演説に盛り込まれた。

今回の演説は記憶に残るもののなかでも最も党派的な演説となった。民主党はほぼ一様にトランプ氏の政策に反対したほか、トランプ氏は反対派を激しく非難した。

大統領令を通じた連邦政府機関の再編はトランプ氏就任の最初の1カ月半で急速に実行された。今回のトランプ陣営ははるかに経験豊富で、トランプ氏自身も大統領選の公約を達成することに焦点を当てている。

しかし、多くの米国人にとって、目まぐるしい変化は混乱を招いている。世論調査によれば、トランプ氏の優先事項について懐疑的な見方が多いことが示されている。今回の議会演説では説得力のある論拠を提示する機会となった。

トランプ氏は、政府効率化の取り組みを主導している起業家のイーロン・マスク氏を強調することを選択した。

トランプ氏はマスク氏が素晴らしい仕事をしていると指摘し、民主党側をあおったあと、「ここにいる誰もが、こちら側も含めて、高く評価している。彼らはそれを認めたくないだけだ」と民主党側を指さしながら語った。

議会演説が始まるまでの数時間は、トランプ氏が期待していたような経済状況とはほど遠かった。トランプ氏がメキシコやカナダ、中国に対して発表した広範な関税が投資家を刺激し、市場は下落した。

トランプ氏は1970年代から関税を主張し、「関税」をお気に入りの言葉と呼んだこともある。トランプ氏は今回の議会演説でもこの戦略から後退しなかった。

ホワイトハウスが公開した演説の抜粋には「彼らが我々に関税をかけるものには何でも関税をかける」と書かれていた。

共和党員の多くは関税について深い懸念を抱いており、大きな影響が及ぶ可能性のある州の議員はトランプ氏の側近と電話で会談を行い、懸念を伝えていた。

トランプ氏は第2次政権では、前任のバイデン前大統領について、物価高から外国での紛争にいたるまであらゆることに責任があると主張している。

今回の議会演説も例外ではなかった。トランプ氏は卵の値上がりからウクライナへの多額の資金承認まで、バイデン氏が問題を残していったと非難した。

どの大統領も前政権が残した課題を受け継いでいる。しかし、トランプ氏が、米国に残る課題について、いつまでバイデン氏を非難し続けることができるのかはわからない。最終的に有権者は、自らの問題解決については大統領の座についている人物に期待することになる。

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