FIFA汚職 起訴の元副会長「ブラッター絡みの取引も明かす」
(CNN) 国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件で起訴されたジャック・ワーナー元副会長(72)は、組織の金銭の流れを示すあらゆる証拠について話す用意があると明言した。その中には先ごろ辞意を表明したブラッター会長が関与したものも含まれるとみられる。
地元のトリニダード・トバゴでこのほどテレビ放送された宣伝映像の中で、ワーナー元副会長は「この国の国際的なイメージを失墜させようとする連中のために、これ以上秘密を守るつもりはない。命を危険にさらすことにもなるだろう」と発言。用意した証拠となる文書は既に別の人の手にあり、「もう後戻りはできない」という。
その上で「FIFAでの金銭の取引について、知っていることはすべて話す。ブラッター会長が関与した件も含めてだ。私は会長の側近中の側近だった。2011年には、当時75歳だった会長に身を引くよう進言したことさえある」と語った。
宣伝映像が放送された直後、トリニダード・トバゴの安全保障相でもあったワーナー氏は、自身の率いる政党の集会に姿を現し、改めてFIFAの疑惑に対する捜査に協力することを約束した。
ワーナー元副会長は、これまで汚職に関するいかなる証拠も提出していない。トリニダード・トバゴの警察に出頭した後に保釈されたワーナー氏は当初、自身に対する起訴を米国による「魔女狩り」だと主張するなど、捜査に反発する姿勢を示していた。
FIFAの汚職をめぐっては、このほど元理事の1人がワールドカップ(W杯)開催に関連した賄賂の受け取りを認めた裁判記録が公開されている。