東京五輪エンブレム、使用中止に 原案に盗用の指摘
(CNN) 2020年東京五輪の組織委員会はこのほど、同大会のエンブレムについて今後の使用を取りやめ、新たなデザインを再度公募する方針を示した。デザイナーの佐野研二郎氏(43)が制作したエンブレムをめぐっては、既存の作品からの盗用を疑う声が上がっていた。
武藤敏郎・大会組織委事務総長は1日夕方の記者会見で、佐野氏本人から取り下げの提案がなされたと説明。原作者の判断を尊重するとともに「このエンブレムを使い続けることは、国民の支援を得られない」として、使用の中止に踏み切ったと述べた。
会見を欠席した佐野氏は1日夜、自身のホームページでエンブレムについて、「模倣や盗作は断じてしていない」と疑惑を否定。その上で、疑惑に関する中傷メールやプライバシーの侵害などにさらされる「異常な状況」が続いたため、「人間として耐えられない限界」に至ったとしてエンブレム取り下げを決断したとつづった。
佐野氏のエンブレムに対しては7月の発表後まもなく、ベルギーのデザイナー、オリビエ・ドビ氏がデザインした同国のリエージュ劇場のロゴに酷似しているとの指摘が浮上。佐野氏による模倣の可能性が取りざたされていた。
大会組織委員会は新たなエンブレムのデザインについて、改めて一般から公募する意向を表明している。3日には、五輪招致の段階で使用した5色の桜をモチーフにしたエンブレムに関する質問に対して、国際オリンピック委員会(IOC)の規定で、五輪そのもののエンブレムとしては採用できないと説明した。