ポランスキー監督の米国への身柄送還を拒否 ポーランド
(CNN) ポーランドの裁判所は30日、映画「戦場のピアニスト」などで知られるロマン・ポランスキー監督(82)が1977年に起こした未成年少女との淫行事件を巡り米当局が要請していた身柄送還に応じないことを決めた。
同監督を米国へ身柄移送するのに要する期間を考慮した場合、高齢者には厳しい環境を長期にわたって強いる違法な自由剥奪(はくだつ)の状態が生じる恐れなどを理由にした。
同監督はポーランドで幼少期を過ごしていた。現在は同国で新作の映画制作を進めている。ポーランド当局はポランスキー氏が博物館開館式典に参加するため首都ワルシャワを訪れた際、米国への身柄送還問題を検討する方針を示していた。
ポーランドの国内法によると、仮に裁判所が身柄移送を勧告した場合でも、移送の諾否に関する最終権限は同国法相が持っている。
淫行事件は1977年、米俳優ジャック・ニコルソンさんの米カリフォルニア州の自宅で行われた写真撮影で発生。被害者の少女は当時13歳で、同監督は43歳だった。少女にシャンパンと催眠薬を飲ませ、性的関係を持ったとされる。同州で同意の上での性的関係が許容される年齢は18歳となっている。