デザインに遊び心を 日本のデザイン事務所「nendo」
佐藤氏は、「400件のプロジェクトを同時並行で進めるのは本当に自分にとっていいこと。私はコマのようなもので、回転し続けている間は常に中心が安定しているが、速度が落ちると揺れ始めてしまう」と語る。
佐藤氏によれば、デザインはもっと遊び心に富んだものであるべきだ。「日本の建築やデザインを見ると、余りに多くのものを取り除いてしまい最小限の要素になり過ぎた結果、冷たい印象を与えていることがある。それがデザインのあるべき姿だとは思わない」と指摘。ユーモアや親しみやすさを作品に付け足し、人と作品のあいだの橋渡しをするよう心がけているという。
佐藤氏にとってデザインとは、ストーリーを紡ぐことだ。「作品の背後にある隠れたストーリー、それはコンセプトを理解し『わかった』と思う瞬間だ。物語を理解した瞬間、あなた自身がプロジェクトの一部になる。作品と自分の間に一種のつながりが生まれる。それが日本のデザインの魔法ではないか」と話した。