FIFA前会長ら、5年で86億円の報酬 ボーナスや昇給で
一方、ブラッター氏の代理人は一連の支払いを擁護する声明を発表。ブラッター氏への支払いが適切かつ公正なものであり、他の世界の主要プロスポーツ機構のトップの報酬とも一致していることをFIFAに示す意向だとしている。
今回の調査ではまた、2011年のFIFA会長選挙の直前、バルク氏とカットナー氏の契約が8年半延長された点にも疑惑が及んでいる。FIFAが公表した文書によれば、この契約は2019年まで延長され、給料やボーナスを大幅に引き上げるほか、退職金の支払いも保証する内容だったという。
当時、ブラッター氏は会長に再選されるか不透明な状況だったが、バルク氏とカットナー氏は、ブラッター氏が会長選に敗れ両氏が職を失ったとしても巨額の報酬を受け取る契約だった。
さらに、2010年南アフリカW杯の4カ月後、契約にない「スペシャルボーナス」として3人が2350万ドルを受け取った疑惑も持たれている。またカットナー氏とバルク氏は、2014年のブラジルW杯と2018年のロシアW杯に関連する巨額のボーナスなども受け取っていたとされる。
スイス当局は昨年9月にブラッター氏、今年3月にバルク氏に対する刑事手続きを開始したが、両氏の逮捕には至っていない。