予算超過は当たり前、誰も望まない五輪招致 ローマも撤退
モントリオールの経緯にほかの都市が恐れをなした結果、84年五輪の招致に名乗りを上げたのはロサンゼルス(米国)だけだった。そのため、開催地となった同市は国際オリンピック委員会(IOC)に対し、強い立場で条件を示すことができた。
ロサンゼルスは民間資金を積極的に導入する新たなモデルを追求。競技会場には既存のスタジアムを活用することで、開催にかかわる最大のコストを削減した。そして見事、黒字への転換に成功したのだ。
しかし公的資金を最小限に抑える時代は続かなかったようだ。中国は08年に開催された北京での夏季五輪に惜しみなく予算を注ぎ、ロシアは14年のソチ冬季五輪に500億ドルという巨額の資金を投入した。今夏のブラジル・リオ五輪でも複数のスタジアムが新設されたが、終了後にそのままフル活用される見込みはない。
IOCは来年の会合で、24年五輪の開催地を選ぶ。現時点で候補に残っているのはブダペスト(ハンガリー)、パリ(フランス)、そしてロサンゼルスの3都市だけだ。