カニエ・ウェスト、公演2曲で中止 米大統領選結果に吠える
ニューヨーク(CNN) 米ラップ歌手のカニエ・ウェストさんが、カリフォルニア州サクラメントでのコンサートを短時間で打ち切っていたことが分かった。19日夜のコンサートに1時間半遅れて登場して2曲だけ歌い、米大統領選の結果などについて大声でまくしたてた末に打ち切りを宣言したという。
チケット販売会社のチケットマスターは20日、同社を通してチケットを購入した観客に全額を払い戻すと発表した。会場の定員は1万7500人、同州でのウェストさんのチケットの相場は26~135ドル(約2800~1万5000円)とされる。
観客らによると、ウェストさんはステージ上で米大統領選の結果について語り出し、民主党候補だったヒラリー・クリントン氏の支持者が敗北に驚いているのは「グーグルにだまされていたから。(フェイスブックCEOの)ザッカーバーグにだまされていたのだ」などと主張した。
ウェストさんの妻でタレントのキム・カーダシアンさんはクリントン氏への支持を表明していた。ウェストさんはかつてこの2人と自撮り写真に収まったこともあるが、先週のステージでは「大統領選は投票しなかった。投票するならドナルド・トランプ氏に入れていただろう」と明言して波紋を呼んでいた。
19日のコンサートではメディアに向けて「いつもの陰険な、人種差別的なコメントを書いたらいい」と捨てぜりふを残した後、「ショーは終わりだ」と言ってマイクを落とし、ステージから退場した。
会場のビデオには、観客らがブーイングしたり、本当に終わりなのかと混乱したりする様子が映っている。
観客らはCNNに「失礼な行動だ」「払い戻しはうれしいが、今度のことで一部の人がカニエに抱いた感情は消えない」などと語った。