米誌タイムの「今年の人」、性被害の「沈黙破った人々」に
ニューヨーク(CNNMoney) 米誌タイムは6日、毎年恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に、男性著名人らの性的に不適切な行為について証言するため名乗りを上げた「サイレンス・ブレイカーズ(沈黙を破った人々)」を選出した。
有名人のセクハラを告発してきた「#MeToo」運動などの成果が認められた形だ。「#MeToo」を主に構成する女性は、セクハラや性的暴行についての世界的な議論を喚起してきた。
タイム誌の記事は、「こうした見直しは一夜にして登場したように見える。しかし実際には、この問題は数年、数十年、数世紀にわたりくすぶってきた」と指摘。
「これらのサイレンス・ブレイカーズはセクハラ拒否の革命を起こし、日に日に力を増していった。彼女らから集まった怒りは過去2カ月だけで、迅速かつ衝撃的な成果を生み出してきた」としたうえで、最高経営責任者(CEO)の解雇や有力者の失脚などに言及した。
「今年の人」の2位にはトランプ米大統領、3位には中国の習近平(シーチンピン)国家主席が入っている。
「#MeToo」のハッシュタグは、活動家のタラナ・バークさんが10年以上前に作った。だが、これに火が付いたのは先月。米ハリウッド映画界の大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏を皮切りに、多くの著名男性が性的に不適切な行為に及んだとして公然と批判された。
昨年の「今年の人」には、大統領選に勝利したばかりのトランプ氏が選出されていた。トランプ氏は先月、「恐らく」今年の人に選出されるだろうとツイートしたうえで、インタビューや写真撮影の手間を考慮して「辞退」したと主張。タイム誌側はこの証言を虚偽としている。