躍進する日本の競馬産業、その背景を探る
中内田氏は「欧米の有力関係者が非常に優れた牝馬、折り紙付きの牝馬をディープインパクトのもとに送ってきており、こうした牝馬が優れた子どもを産んでいる」と説明。「ディープインパクトは現在、他のどの種牡馬よりも有名なのではないか」と語る。
だが、日本競馬成功の背景にはもうひとつの秘密がある。ファンだ。
日本で国民が賭けの対象にできるスポーツは数少なく、競馬はそのひとつ。16年には初めて海外レースの馬券も購入できるようになった。
馬券購入によって生み出された収益はJRAレースの賞金として再投資される。これもあり、日本は世界でも有数の高額賞金レースを創設することが可能になってきた。ジャパンカップの賞金総額は560万ドルにのぼる。
ただ、こうしたお金は別のところにも投資されている。
中内田氏は「巨額の賭け金が生産者や馬主に還流し、個々の馬により多くの金額を使えるようになっている」と指摘。これが日本における競馬産業成長の最大の要因だとの見方を示した。「われわれは多額の投資を行っているが、戻ってくるものも大きい」