全米350紙、トランプ大統領のメディア攻撃を一斉非難
ニューヨーク(CNNMoney) 全米の新聞約350紙が16日、報道の自由を掲げ、トランプ大統領のメディア攻撃を非難する社説を一斉に掲載した。
社説の一斉掲載はボストン・グローブ紙が提案し、各地の新聞が呼びかけに応じてそれぞれ独自の社説を展開した。グローブ紙は「これは反トランプのプロジェクトではなく、報道を守るためのもの」と強調している。
トランプ大統領がジャーナリストを「国民の敵」と形容したことに対しては、ニューメキシコ州ベレンの地方紙が、「我々は敵ではなく国民だ」と反論。アーカンソー州クリントンの地方紙は、「そうした言葉は決して容認できず、決定的に間違っている」と断じた。
オハイオ州アセンズの新聞は、地方自治体などもトランプ大統領に刺激されて攻撃に乗り出す事例が増えていると指摘し、ミネソタ州ベンソンの新聞は「ジャーナリストに対する攻撃は暴力を招く」とする社説を掲載した。
こうした社説は同日、ラジオ局やテレビ局も数局が放映した。
一方、トランプ大統領を支持する陣営や一部のメディアからは、一斉攻撃とも受け止められる社説に対して批判の声も上がっている。
サンフランシスコ・クロニクルの論説では、「メディアが足並みをそろえて反論するのは、トランプ発言の思うつぼ」だと述べ、「(トランプ大統領は)きょうの社説を理由に、これからは重大な事実に基づくニュース記事の信頼をおとしめようとするだろう」と予想した。
ニューヨーク・タイムズは、参加した新聞の一覧を掲載し、一部の内容を紹介。自らの社説では、「自分の気に入らない事実を『偽ニュース』だと主張することは、民主主義の根源を危険にさらす」と指摘している。