「米国、そこまで偉大だったことない」とNY知事、トランプ氏が非難
ワシントン(CNN) 米ニューヨーク州のクオモ知事は15日に演説を行い、「米国が過去にそこまで偉大だったことはない」と明言した。トランプ大統領が掲げる「米国を再び偉大に」というキャッチフレーズに対するコメントとみられる。これを受けトランプ氏は、ツイッターに同知事への痛烈な批判を書き込んだ。
クオモ知事の発言は、男女平等や女性の能力の最大限の活用といったテーマを語る中で出たもの。同知事が「米国を再び偉大にするということはない。過去にそこまで偉大だったことがない」と述べると、聴衆の一部から歓声が上がった。
同知事は続けて「我々が偉大となれるのは、すべての米国人が完全な社会参加を果たした時だ」「国民の51%を占める女性への差別や既成概念がなくなり、すべての女性が能力を遺憾なく発揮し、存分に社会貢献できるようになった時だ」と強調した。
クオモ知事の報道担当官は声明で、同知事とトランプ大統領との見解の相違に言及。「大統領は米国を再び偉大にすると語るが、そこでは過去に多くの人々が受けた痛みが忘れられている」とし、米国民には奴隷制度や人種差別、性差別などに苦しんできた歴史があると述べた。
一方、トランプ大統領は15日夜、ツイッターへの投稿でクオモ知事を非難。「米国はそこまで偉大だったことがない」との発言を引用したうえで「これが米国で最も税金の高い州の知事だとは。アンドルー・クオモは完全に終わった」と書き込んだ。
クオモ知事は11月のニューヨーク州知事選に向けた予備選で、シンシア・ニクソン氏と民主党候補者の座を争う。
共和党から知事選に出馬するマーク・モリナロ氏は15日、クオモ知事に対し「国民への謝罪が必要」「自らを恥じるべきだ」との認識を示した。