英サッカークラブ、スタジアム販売用の軽食3千箱をホームレスに寄付 試合中止で
(CNN) 英イングランドのサッカークラブが、大雨による試合中止を受けて、スタジアムで売るはずだったパイなどの食べ物をホームレス支援に取り組む団体へ寄付する出来事があった。届けられたパイやソーセージロールなどの量は、専用の箱で約3000個分に達した。
食べ物を無駄にせず、慈善活動に協力もする粋な計らいを見せたのは、イングランドの2部リーグに所属するノッティンガム・フォレスト。26日にレディングと行う予定だった試合は、雨でピッチが水浸しとなったため中止を余儀なくされた。
これを受けてクラブは、スタジアムで売るはずだった軽食類を3000箱近い容器に入れて、地元の慈善団体に寄付した。クラブの広報が明らかにした。同団体はノッティンガム全域を対象にホームレスの支援を行っている。
試合の中止が決まったのはキックオフのわずか数時間前だったが、クラブはCNN Sportに対し、以前にも同様の寄付をした経験からあらかじめ手筈を整えていたと語った。
寄付には、クラブの幹部らも食べ物の入った箱を運ぶなどして協力した。クラブを統括するジョニー・オーウェン氏は「寄付を通じ、地域で最も食べ物を必要としている人たちを助けることができた」と述べ、今後もノッティンガムにおけるホームレスの問題に取り組み続ける考えを示した。
英国家統計局によれば、昨年イングランドとウェールズで死亡したホームレスの数は推計726人と、前年から22%増加した。近年はイングランドやスコットランドの複数のクラブで、サポーターがフードバンクを立ち上げて経済的に困窮している人たちを支援する動きが見られる。
ノッティンガム・フォレストは、1979年と80年に欧州最強クラブの座に輝いたこともある名門。地元のノッティンガムと周辺のシャーウッドの森は、貧しい人々を助けた伝説の義賊、ロビンフッドが活躍した土地として知られる。
Game off but nothing goes to waste
— Nottingham Forest FC (@NFFC) 2019年10月26日
#NFFC CFO Samantha Gordon and @NFFC_Community CEO Graham Moran helped to hand out food left over from today’s postponed game to @Framework_HA. pic.twitter.com/Xfw5RqdNxA