ロシア、ドーピング問題で4年間の国際大会出場禁止に 東京五輪も対象
(CNN) 世界反ドーピング機関(WADA)は9日、ロシアに対し、今後4年間にわたり主要なスポーツの国際大会への参加を禁止すると全会一致で決定した。同国がドーピングに関する規定を順守しなかったことが理由で、来年の東京五輪・パラリンピックや2022年のサッカーワールドカップ(W杯)などが対象になる。
ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は処分から21日以内にスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立てることができる。ロシア下院の議員はタス通信に対し、異議申し立てを行う公算が極めて大きく、RUSADAの会合が行われる今月19日に決定が下される見通しだと述べた。
上記の禁止措置が実施されても、ドーピングに関与していないと証明されたロシア選手は個人資格で各大会に出場できる。ただ20年の東京五輪・パラリンピックや22年に北京で行われる冬季五輪などにロシアとして参加することはできなくなる。
一方でサッカーのロシア代表は来年の欧州選手権(EURO2020)に出場できる。大会を統括する欧州サッカー連盟(UEFA)にはWADAの権限が及ばないためだ。
今回の処分は、WADAがモスクワの反ドーピング検査所から回収した検査データにいくつかの矛盾点が認められたことを受けたもの。ロシアのスポーツ界をめぐっては、広範かつ高度化された国家ぐるみのドーピングネットワークが存在するとの報告が16年に公表されていた。
ロシアのメドベージェフ首相は、WADAの決定を「反ロシアのヒステリー」だとして批判した。